1月になり、吐く息は白くなるほど冷え込むようになり、空気は澄んできた。
さて、喫煙者の方には共感頂けるかと思うが、タバコは冷えて澄んだ空気の中で喫む方が美味い。
煙の温度を出来るだけ低く、所謂クールスモーキングした方がより葉っぱの香りが楽しめるからだ。(逆に煙の温度が高すぎると辛みの様な刺激を感じるので、不味い・・・。)
ただ、寒すぎるのも考え物だ。
いくら美味いアイスでも極寒の寒風吹き荒ぶ中で食いたくはあるまい。同様に、凍えるほどの寒さの中で、タバコも吸えたもんじゃない。
その点、晴れた日の昼下がりは最高だ。
太陽の日差しが寒さを和らげて、ベストコンディションを整えてくれる。
お外の準備が整ったのを確認したら、今度はタバコの準備に取り掛かる。
パイプタバコの準備には時間がかかる

私が愛喫するのはもっぱらパイプタバコ。
タバコを吸い始めたのも20代後半からで、一般的に良く吸われているシガレット(紙巻タバコ)や電子タバコは片手で数える程しか吸わず、いきなりパイプに辿り着いた(?)珍人類だ。
実は、パイプを吸い始めるのにはそれなりの準備…いや、儀式が必要なのだ。
まずは、買ってきた葉っぱをパイプのボウルに詰め込む。詰め込む際も、空気の通りが悪くならない様に3回に分けて少しずつ詰めていく。
その詰め込む固さも、固すぎず柔らかすぎずといい塩梅に調整しながらだ。
葉を詰め込んだら、いよいよ着火する。私は、楽なのでマッチを使う。
シュバ! マッチに火をともしたら、ボウルに詰め込んだ葉っぱをゆっくり炙る。
ふぅ、これで一息・・・ではなく、もう一度着火が必要なのだ。
葉っぱが熱されることで膨らみ、詰めた葉っぱ全体に火が行き渡らないからだ。
そのため、膨らんだ葉をタンパーと呼ばれる道具で軽く潰してあげるのだ。
その後、もう一度マッチで葉っぱを炙る。
ふぅ、これで今度こそ本当に一服開始である。
ちなみに、ここまでの儀式を終える間に、私と同タイミングで喫煙所に入って来た人は既に喫い終わっている事もある。
休日の昼下がりは愛車を愛でながら、パイプを味わう至福の時間
準備だけでもそれだけ時間がかかるパイプだが、吸っている時間も長い。
儀式が完了してから吸い終わるまで、20分前後はかかる。
そのため、仕事日では中々落ち着いて吸うことができない。まぁ、余裕がある時は吸うんだけどね。
だから、休日にゆっくり味わう。とりわけ、冬の昼下がりは気温的にもちょどよく、余裕を持って喫むことが出来る。
さて、パイプの準備が整ったら愛車が待つ玄関先へ向かう。
2回の着火を終えたら、煙と戯れながら愛車の一人鑑賞会の開始である。

遠巻きにクルマを見たかと思えば、眼前にしゃがみこんだり、タイヤハウスをのぞき込んだり。じっくり見てみると知らない発見があって面白い。
パーツの端にひっそりとエンブレムが添えてあったり、空力のために設けられた空気の通り道を見つけたり。
そして、過去に走った思い出に浸ったり、これから行ってみたい道への妄想を膨らませたり。
この時に合わせて、外観のコンディションを確認する。汚れや傷・タイヤの摩耗等々…。大体、パイプを吸い終わったら洗車したくなるのはご愛嬌ということで。
そして、今日も無事、陽が落ちるまで洗車しましたとさ。