車載動画を撮影する際におすすめの撮影機材(カメラ)について、まとめております。
私は最近YouTubeにクルマの車載動画をアップロードしており、アクションカメラやミラーレス一眼・コンデジなど様々なカメラを使用している。
動画として投稿している以外にも試験的に思考錯誤していた試験期間もあり、カメラやクルマへのマウント方法なども調べまくった。
そこで、一度私が実際に使用したり、調べたりした中で車載動画撮影に向いたカメラについて本記事にまとめる。
↓私がYouTubeに投稿している動画
車載動画撮影におすすめなのはアクションカメラ
結論から言うと車載動画撮影におすすめなカメラはアクションカメラ(ウェアラブルカメラ)である。
アクションカメラとは?

そもそもアクションカメラとはどういうモノなのかと言うと…
アクションカメラはその名の通り、動きの多い場面での撮影に特化した小型のカメラである。
スポーツやアウトドアシーンでの使用が想定されており、防水性能や耐衝撃性を持ち、かつ、強力な手ブレ補正機能が備わっている。
また、他のカメラと比較してコンパクトでありながら4Kや8Kまで撮影できる機種もあり、加えて広い画角や取回し自由度の高さが武器となっている。
有名なモデルとしてGoProが挙げられるが、最近はInsta360やDJIも台頭してきている。
特にアクションカメラのパイオニアであるGoProはテレビ番組内でもよく使われており、ロケ中に芸能人が手持ちで持っているカメラをよく見てみるとGoProのことも多い。
これらのアクションカメラはその機能から、車載動画の撮影にも向いており特にバイクの車載動画、いわゆるモトブログでも多用されているカメラとなっている。

車載動画にアクションカメラがおすすめの理由
1. 小型で取り付けが簡単
アクションカメラは前述の通り軽量で小型なので、狭い車内においても取付ける場所の制約が少ないというメリットがある。
例えば、クリップ式マウントを使えばサンバイザーに固定することもできるし、小さな吸盤マウントでもフロントガラスやサイドウィンドウに固定することもできる。
また、工夫すればシートへ固定することもできるなど、色々な画角を用意することが可能だ。
なお、取り付けについては下記の記事で様々な固定方法や使用するマウント等について紹介している。

2. 広い画角で臨場感を演出

アクションカメラはかなり広角で撮影できる機能が備わっており、例えばフロンドガラスに映る景色いっぱいをカメラに収めることが可能だ。
フルサイズカメラ換算で10~15mm相当の画角で撮影できるため、かなりの広角であることが分かると思う。
広角レンズの画角を活かして運転者の視点をリアルに再現したり、フロントガラスに映る風景を壮大に映し出したりとダイナミックな表現を簡単に行うことが出来る。
3. 耐久性が高く値段も安い
車載動画を撮る際は走行する車両の振動への対策が必要となる上、取り付ける場所によっては太陽光などの熱に耐える必要性が出てくる。

アクションカメラはそもそも過酷な環境での使用を前提に設計されているため、振動や高温又は低温による故障の心配が少ないのが利点である。
また、特にアクテビティでの使用が大前提であるため、手ブレ補正機能が優秀であり走行によるブレの影響を小さくすることが出来る。
何より一眼などと比べても価格が圧倒的に安いため、最悪壊れたとしても買い替えるハードルは低いというメリットもある。
4. 高画質で編集の自由度が高い

最近のアクションカメラは4Kや5.3K…ものによっては8Kの撮影も可能となってきている。
そのため、編集時にいざトリミングをしたいとなっても画質の劣化は最小限とすることが出来る。
また、LOG撮影などが可能な機種も出てきているため、思った以上に編集の自由度は高い。
逆にカメラに内蔵されているプロファイルだけでも鮮やかな色彩が表現可能なため、カラーグレーディングを省略した映像制作が行えるなど、編集工程に応じた自由度の高い運用が出来る様になっている。
一眼カメラとの使い分け

一眼カメラはアクションカメラよりも高画質かつボケを作りやすいため、表現力において大きく優れる。
しかし、サイズが大きく、また重量もあるため狭い車内での使用を考えると取り回しが難しく、取付可能な箇所は限られる。
一方でアクションカメラは、小型であるため取り付けの自由度が高い。
車内の臨場感を伝える動画を撮影したり、広角でフロントガラスいっぱいな映る景色を撮ったり、はたまた運転手本人を撮す画角にしたりと自由度が高い。
そのため車外の撮影時には一眼を使用し、逆に車載動画はアクションカメラを使用するなど使い分けを行うことにより、適材適所でメリハリのついた動画を作成することが出来る。
おすすめのアクションカメラ
Insta360 Ace Pro2

項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 2024年10月22日 |
新品価格(税込み) | 64,800円 |
サイズ(幅×縦×奥行) | 71.9×52.2x38mm |
重量 | 177.2g |
撮影時最大解像度 | 8K |
センサーサイズ | 1/1.3インチ |
連続撮影可能時間 | 180分 (FHD24fps時) |
総合おすすめ度 |
現在、私が愛用しているアクションカメラ①。
Insta360といえば、360度撮影が可能なカメラで有名なメーカーだが、今回おすすめするInsta360 AcePro2はGoProと同様に前方のみを撮影する一般的なアクションカメラである。
2024年末に登場し、アクションカメラが欲しい機能を一身に抱え込んだワガママスペック。
1/1.3インチの8Kセンサーを備え、レンズはライカと共同開発したもの搭載。
また、アクションカメラが苦手とする暗所も専用モードである【PureVideoモード】を使用することで、肉眼で見るよりも綺麗に描写する。
フリップ式ディスプレイを採用しているため、運転席後方にカメラを設置し、三人称視点の撮影を行う際にもディスプレイ操作および確認が可能となっている。
巷ではレンズ曇り等の不具合報告がされているか、私が車載動画撮影で使用する分には不具合はまだ発生していない。
昼は勿論のこと、夜間も綺麗に描写してくれるため車載動画撮影でオールマイティに活躍してくれる1台である。

Insta360 Ace Pro

項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 2023年11月21日 |
新品価格(税込み) | 44,700円 |
サイズ(幅×縦×奥行) | 71.9×52.15×38.5mm |
重量 | 179.88g |
撮影時最大解像度 | 8K |
センサーサイズ | 1/1.3インチ |
連続撮影可能時間 | 100分(4K30fps時) |
総合おすすめ度 |
Insta360 Ace Pro2の前世代機。
ただ、前世代といっても1年程度前であり、センサーサイズも変わらず8K撮影が可能となっているため、まだまだ最前線でも戦えるスペックを保有している。
後継機が発売されたことにより価格も2万円近く安くなっているため、経済的メリットは大きい。
ただ、Ace Pro2と比較するとバッテリーサイズが250mAh小さいためバッテリーの持ちが悪いのと、マイク性能が劣るという点がある。
それでも、夜間撮影に強いPureVideoモードやフリップ式ディスプレイは本機にもあるため、昼夜問わず車載動画撮影に使えるアクションカメラとなっている。

GoPro HERO13

項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 2024年9月11日 |
新品価格(税込み) | 69,800円 |
サイズ(幅×縦×奥行) | 71.8×50.8×33.6mm |
重量 | 154g |
撮影時最大解像度 | 5.3K |
センサーサイズ | 1/1.9インチ |
連続撮影可能時間 | 150分(FHD30fps時) |
総合おすすめ度 |
アクションカメラの代名詞GoProの2025年時点最新機種。
GoProは他のアクションカメラと比べても動作が安定しないことに定評があるが、GoPro13はそういった話は聞かない。
ただ、GoPro最大の弱点が夜間撮影性能で、同世代のInsta360 AcePro2やDJI Osmo Action5 Proが低照度用モードがあるのに対して、GoProには未だにそれがない。
夜間の車載動画を撮る予定がない人ならば問題ないかもしれないが、私個人は早朝や夜間にもアクションカメラを回すため低照度用モードが無いのは痛い。
その割に値段は高い。他の選択肢がある中で、わざわざGoPro13を選ぶ理由がない。
ただ、青空と雲の描写は綺麗。車載動画は画角の半分近くを空が占めるため、そこに惹かれるなら選択肢に挙がってくる…かもしれない。

GoPro HERO10

項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 2021年9月17日 |
新品価格(税込み) | 41,800円 |
サイズ(幅×縦×奥行) | 71.8×50.8×33.6mm |
重量 | 153g |
撮影時最大解像度 | 5.3K |
センサーサイズ | 1/2.3インチ |
連続撮影可能時間 | 120分(FHD30fps時) |
総合おすすめ度 |
現在、私が愛用しているアクションカメラ②。
GoProの旧世代機だが、夜間撮影モードが無い以外は機能的には不足はない。
新品で購入すると4万円は超えるが、中古品ならば2万円台後半とかなり安価で購入できる。安い。
最初のお試しでの1台やサブ機としての1台などの使い方が出来る価格帯でありながら、機能的には5.3Kまで録画でき、手ブレ補正機能も車載動画で使用する分には十分な機能がある。
ただ、動作不良がちょくちょくある。
具体的には、1万円するメディアMODを装着して外部マイクをつないでも、マイクが認識されずにGoPro本体の内蔵マイク(メディMODのマイクですらない)が使用される不具合などがある。
そこらへんと上手く付き合えるのなら、アリかと思う。

GoPro HERO8

項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 2019年10月25日 |
新品価格(税込み) | 45,800円 |
サイズ(幅×縦×奥行) | 66.3×48.6×28.4mm |
重量 | 126g |
撮影時最大解像度 | 4K |
センサーサイズ | 1/2.3 |
連続撮影可能時間 | 81分(FHD60fps時) |
総合おすすめ度 |
現在、私が愛用しているアクションカメラ③。
今となってはかなりの旧式であるため、安く手に入る。中古だと1万円台中盤から後半くらいの価格。
私も2台所有している。
旧世代のため、画質や手ブレ補正機能なども弱いし、バッテリー容量や対応しているSDカードの最大容量も小さいため、連続撮影可能時間的な問題もある。
加えて、ディスプレイのタッチ感度が悪いなど、悪い点は結構ある。
しかし、それを補って余りあるほど、中古で買うなら価格が安い。
メイン機として使う分には心もとないが、サブ機として破損等も気にせずガツガツ使えるメリットは大きい。

DJI Osmo Action 5 Pro

項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 2024年9月19日 |
新品価格(税込み) | 55,000円 |
サイズ(幅×縦×奥行) | 70.5×44.2×32.8mm |
重量 | 146g |
撮影時最大解像度 | 4K |
センサーサイズ | 1/1.3インチ |
連続撮影可能時間 | 240分(FHD24fps時) |
総合おすすめ度 |
DJIと言えば、ドローンが有名だが、アクションカメラも製作している。
同世代機であるInsta360 Ace Pro2やGoPro HERO13と比べると、最も軽量コンパクトな上、価格も5万円台中盤と少しだけ安い。
また、低照度下専用のSuperNightモードもあるため、夜間撮影にもアクションカメラとしては強い。
ただ、Insta360 Ace Pro2にはLeica Vivid、GoPro HERO13にはGoProカラーといった彩度高めで鮮やかな映像を出力するフィルターがない。
カラーグレーディングすればいいだろとの声が聞こえてくるが、ミラーレス一眼等で撮影した映像なら分かるが、アクションカメラで撮影した映像にそれだけの工数をかける必要があるかは疑問だ。
それなら、彩度高めで爽やかな映像を撮って出しで出力してくれる方がタイムパフォーマンスが高いと個人的に感じる。
逆に言えば、カラーグレーディング前提であれば値段も安いし、機能的に不足はないため、十分選択肢に入ってくるかと思われる。

DJI Osmo Action 4

項目 | 内容 |
---|---|
発売時期 | 2023年8月2日 |
新品価格(税込み) | 44,000円 |
サイズ(幅×縦×奥行) | 70.5×44.2×32.8mm |
重量 | 145g |
撮影時最大解像度 | 4K |
センサーサイズ | 1/1.3インチ |
連続撮影可能時間 | 160分(FHD24fps時) |
総合おすすめ度 |
DJI Osmo Action 5 Proの前世代機。ちょうど、Insta360 Ace Proと同じ世代となる。
この機種もOsmo Action 5 Proより1年程度前なだけで、センサーサイズも変わらずに4K撮影できるため、十分メイン機として活躍させることが可能。
価格も後継機より1万円近く安くなっており、手に入れやすい。
後継機の方が画質が向上している他、起動が早くなったり、バッテリーの持ちがよくなったりしているが、正直画質以外は車載動画ではあまり恩恵を受けられない。
画質の向上は個人の主観によるので、何とも言えないがOsmo Action 4でも十分な画質ではあるし、それなら1万円安いこの機種を選ぶのも割とアリではないだろうか。

車載動画でアクションカメラを使用する際の注意点
1. 振動対策は怠らない
いくら優秀な手ブレ補正機能があるといえども、あまりにも振動がひどすぎると対応しきれない。
車載動画は走行している車両内で撮影するため、振動をゼロにすることはできないが、振動を低減することは出来る。
剛性のあるマウントを使用したり、マウントとカメラを固定する際は緩みの無いようにしっかりと締めるといったことに留意されたい。
2. 熱対策を講じる

アクションカメラを固定する場所によっては、直射日光などによって、カメラ本体が高温になることがある。
アクションカメラは熱には弱くないとは言え、雪山などの低温で使用されることも想定して、カメラ本体が温まる様になっているため、あまりに熱くなりすぎると故障を防ぐために勝手にシャットダウンしてしまう。
そのため、直射日光が直接当たらない様な位置に配置したり、車内の温度を低めに保つといった対策も特に夏場は必要となってくる。
3. バッテリーの管理

アクションカメラは小型であるゆえ、バッテリーも小さいため撮影時間が短いという短所がある。
そのため、長時間撮影をする場合は予備のバッテリーを所持しておいたり、クルマのUSB電源を使ってカメラを常時充電するなどの対策を行う必要がある。
まとめ
アクションカメラはそのコンパクトさや耐久性、優秀な手ブレ補正性能から車載動画撮影に最適なカメラとなっている。
選択するアクションカメラによって、出てくる映像のタイプが異なる(彩度や色合い、描写の緻密さ等)ため、YouTubeのレビュー動画等で映像を見比べ、かつ、自身が求める性能や価格などに応じてアクションカメラを選びたい。
現状、最高スペックを求めるならInsta360 Ace Pro2が個人的に最有力候補で時点がDJI OSMO Action5 Pro(又はAction4)と感じている。
GoPro HERO13は、現状だと後追い感が正直否めないところである。