私は現在、SONYのミラーレス一眼カメラのα6700を愛用している。
α6700は、SONYのAPS-Cセンサーモデルのフラッグシップであり、スチル撮影はもちろん、動画撮影も十分に趣味レベルであれば実用に耐えうる万能機となっている。

特にα6700からは、AIオートフォーカス技術が導入されて爆速AFが出来たり、最新の画像処理エンジンが搭載されて色の表現が向上したり、低ノイズ化が図られている。
そんなAPS-C機としては高性能なα6700で遊び倒す際に切っても切り離せない存在がレンズ。
今回は、私が実際に使用している近距離から望遠まで対応できるおすすめレンズ3本について、使い勝手や作例も交えて紹介していきたいと思う。
※今回紹介する作例写真は、Adobe Lightroomでレタッチを施したものとなっている。
他に所有しているカメラ機材等は下記にまとめているため、合わせて参照頂ければ幸いだ。

α6700おすすめ標準ズームレンズ | SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN

サードパーティ製であるが、α6700と合わせるなら必ず名前が挙がる1本。
APS-Cの標準ズームとして最強クラスの一本。18-50mmの焦点距離は、日常のスナップや風景撮影、私はあまり撮らないがポートレートまで幅広くカバーすることが可能。
私がα6700を使用する際に、8割以上はこのレンズで撮影するくらい使用頻度は高い。
新婚旅行でドイツへ行った際も、これ1本だけを使用した。
■SIGMA 18-50mm F2.8 DC DNのおすすめポイント
- F2.8通しで明るく、ボケ感がきれい
-
広角端からテレ端まで、F2.8通しで使用することが出来る大三元レンズ相当の性能を誇るため、室内や夜間等の暗所でも、シャッタースピードを稼ぎながら撮影することが可能。
特に開放のF2.8など、低いF値で撮影するとしっかりとボケ感が出つつ、やわらかい印象の写真となるため、ポートレート等にも向いている。
- 軽量コンパクトで持ち運びやすい
-
とにかく軽いし、コンパクト。個人的に軽さと小ささは重要なスペックと思っており、持ち運びがしやすく取り回しに優れるこのレンズは非常に使いやすいし、疲れない。
重量が290gであるため、重さ493gのα6700と組み合わせても、1kgを大きく下回る。すごい助かる。肩が凝らない。
- 近接撮影に強い
-
標準ズームレンズとしての機能性もさることながら、地味に近接撮影能力も高い。私が所有しているレンズの中では一番寄れるレンズとなっている。
広角端における最短撮影距離は12.1cm。分かりやすく言うと、被写体とレンズの先端がほぼ引っ付くくらい寄れる。
というか、花形のフードを付けていると当たる。それくらい寄れる。持ち出しやすい丁度良いサイズ感 - コストパフォーマンスが高い
-
標準ズームレンズとして、十分な機能を持ちつつ、軽量な上、近接撮影にも強いと来たが、サードパーティ製なので価格も安い。新品価格は7万円前後といったところ。
SONY純正のF2.8通し16-55mmの標準ズームレンズが新品価格で15~16万円程度のため、半額以下である。安い。
■SIGMA 18-50mm F2.8 DC DNを実際に使ってみた感想
実際に街歩きや旅行に持ち出すことが多く、コンパクトかつ軽量なため「気軽に持ち出せるのに高画質」というバランスが大変助かる。
サードパーティ製だが、AFの速さも申し分なく、動く被写体にもスムーズに対応でき、クルマの流し撮りにも全然使える。
また、F値が低いと柔らかい印象の写真となるが、F値を上げていきF8以上となってくるとカリっとした精細な表現に変わってくる。
ボケ感だけでなく、こういった使い分けもこのレンズを使用してて楽しい部分と感じている。
■SIGMA 18-50mm F2.8 DC DNで撮影した作例







α6700おすすめ望遠レンズ | SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS

型式名SEL70350G。
70-350mm…フルサイズ換算だと105-525mmまでをカバーするSONY純正のAPS-C用レンズとしては、恐らくもっとも焦点距離が長いレンズ。
焦点距離は長いが、OSSの名前の通り、レンズ内手ブレ補正機能が入っているため、日中の撮影等でシャッタースピードがしっかり稼げるのであれば、手持ち撮影も全く問題なくこなせるレンズとなっている。
■SEL70350Gのおすすめポイント
- フルサイズ換算525mmの望遠域までカバー
-
APS-Cセンサーとの組み合わせで、フルサイズ換算すると約105-525mm相当の超望遠域をカバーするため、スポーツや野鳥撮影、他には飛行機を撮影するなど遠くの被写体を引き寄せたいときに活躍する。
また、圧縮効果を強く効かせることにより、インパクトや非日常感のある写真を撮影できるなど、標準ズームレンズでは表現しきれいない部分まで手が届くのは強い。
- 望遠なのに軽量コンパクト
-
フルサイズ換算で525mmまでカバーできるレンズだが、レンズ単体重量は1kgを大きく下回る625gとなっている。
どれぐらい軽いかと言うと、同じSONY純正のフルサイズ用の200-600mmの望遠レンズ(SEL200600G)の重量が2,115gとなっている。
フルサイズと比べると当然コンパクトにはなるが、3倍以上も軽いのはかなり助かる。また、サイズ的にも日常使いの普通のリュック等にも入る大きさであるため、家族のお出かけの際にも容易に持ち出せるのは大きなメリットだ。
超望遠だが、片手で全然持てるサイズ感となっている - Gレンズならではの高い描写力
-
型式名の最後に【G】がついていることから分かる様に、SONYのレンズラインナップの中でも高性能レンズと呼ばれる【Gレンズ】であるため、その望遠性からボケ感は勿論のこと、描写も繊細で高テクスチャな写真が撮影できる。
■ SEL70350Gを実際に使ってみた感想
実際に飛行機の写真撮影にも使用したが、遠くにある飛行機もグッと近くひ引き寄せて撮影ができた。
また、SONY純正のためAFの追従性も非常に良く、飛行機がランディング状態でもAIAFでしっかりとピントを合わせてくれて離さなかった。
ただし、F値が解放4.5からと暗めなので、屋内や夕方以降の撮影ではISO感度を上げる必要がある。
また、70mm(フルサイズ換算105mm)スタートなので、もう少し広角側も欲しいと感じる場面もあり、レンズ交換が手間という問題は正直ある。めんどい。
■SEL70350Gで撮影した作例





α6700おすすめ動画用レンズ | SONY E 15mm F1.4 G

型式名SEL15F14G。
15mm(フルサイズ換算22.5m)の広角単焦点レンズで、F1.4と非常に明るいレンズ。
広角の単焦点のため、使用シーンはかなり限られるトリッキーなレンズ。
F1.4と明るさを活かした暗所撮影や、広角を活かした動画撮影などの使用用途が考えられる。
■SEL15F14Gのおすすめポイント
- F1.4の明るさでボケ感が美しい
-
このレンズは解放F1.4と非常に明るいレンズとなっており、夜間や室内などでもシャッタースピードを稼いで撮影できる。
特に室内などは光量に制限がある上に、スペース的にも制限があるため、広角大口径のこのレンズが強みを発揮できるシーンと言える。
- 超コンパクト&軽量
-
広角単焦点だけあって、かなり軽量で重さは219g。
私が所有しているレンズでは最も軽量かつコンパクトとなっている。(逆にこう比べてみると標準ズームで290gのSIGMA 18-50mmがスゴイ軽く感じられる)下手すると、アウターのポケットに入るくらいのサイズなので、α6700を持ち出す際は使う予定がなさそうでも、このレンズはほぼ毎回一緒に持ち出している。
それくらい携帯性に優れている。便利。
片手にすっぽり収まるサイズ感。しかも軽い - Gレンズならではの高い描写力
-
SEL70350Gと同様に【Gレンズ】であるため、精細な描写をしてくれるレンズ。
作例を見て頂けると分かると思うが、F値8で撮った空の雲もカリッカリに高精細で撮影してくれる。
動画撮影において重要なのが「明るさ」と「AF性能」。このレンズはF1.4という大口径を持ち、夜間や室内撮影でもノイズを抑えながら美しい映像を撮ることができる。
また、α6700の強力な手ブレ補正との相性も良く、手持ちVlog撮影にも最適。最短撮影距離も0.17mと短いため、テーブルフォトやガジェットレビューなどの近距離撮影でも活躍する。
■SEL15F14Gを実際に使ってみた感想
解放F値1.4と明るく、かつフルサイズ換算22.5mmと広角のため、室内やクルマの車内で撮影する際に役に立つ。
ただ、屋外でもダイナミックに景色を撮影したい際なんかは、広角かつGレンズの高精細さが機能して、綺麗な写真を撮ってくれる。
また、広角かつSONY純正のため、Vlogなど動画撮影にも向いている。レンズ内手ブレ補正こそないものの、SONY純正のため、α6700のアクティブ手ブレ補正が十分に機能し、気を付けて歩けば全然見られる映像となる。
ただ、気になる点としては、広角レンズの宿命として、歪みが生じやすい点はある。
近距離でポートレートを撮影すると、不自然に歪んだ写真となってしまうため、写し取るというよりかは、レンズ内の風景を切り取る撮影の仕方をすると綺麗に撮れる印象がある。
以上の様に強みを発揮するシーンは非常に限定されるが、使えれば確かに実力を発揮してくれるトリッキーなレンズと考える。
■SEL15F14Gで撮影した作例





まとめ | 用途に応じた最適なレンズ選び
今回紹介した3本のレンズは、それぞれ異なるシチュエーションで活躍する。まとめると以下のようになる。
レンズ名 | 特徴 | おすすめ用途 |
---|---|---|
SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | 軽量・F2.8通し・高画質 | 旅行・スナップ・ポートレート |
SONY E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS | 超望遠・手ブレ補正付き | 野鳥・スポーツ・飛行機 |
SONY E 15mm F1.4 G | F1.4の明るさ・広角 | Vlog・室内・夜景・景色 |
α6700を最大限に活用するためには、自分の撮影スタイルに合ったレンズ選びが重要。今回紹介した3本を用途に応じて使い分ければ、大方どんなシーンでも満足のいく撮影ができるはずだ。
