2026年7月29日、メルセデス・ベンツは都市型SUVの金字塔である「GLA」を全面刷新し、ルセデス・ベンツ スタジオ ワルシャワにてワールドプレミアを果たした。
2013年の初代登場から数えて第3世代となる新型は、取り回しの良いコンパクトなサイズ感を維持しつつ、メルセデスの新たなプレミアムSUVとして登場した。
第2世代であるH247型のGLA 45Sを乗っている私からするとかなりホットなニュースだ。

欧州のプレミアムコンパクトSUV市場は、永遠の好敵手であるBMW・X1や、デザインを一新したアウディ・Q3など、実力派がひしめくまさしく激戦区である。
このクラスにおいて、メルセデスが放った次なる一手は、圧倒的なデジタル技術と先進パワートレインの融合であった。
今回のフルモデルチェンジにおける最大のトピックは、次世代の電動化戦略を体現したラインナップだ。
航続距離最大657km(WLTPモード)を叩き出す本命のBEVモデルを筆頭に、新開発のシステムを搭載した高効率なハイブリッドモデルの2段構えで市場へ投入される。
環境性能と走りの歓びを高度にバランスさせた新型GLAは、先日公開されたCLAと合わせてメルセデスの最新技術を惜しみなく注ぎ込んだ、ブランドの未来を牽引する重要な一台と言えるだろう。
エクステリア:よりスポーティで存在感のあるデザインへ


◆新型GLA 200の諸元
| 動力 | リン酸鉄リチウムバッテリー |
|---|---|
| 馬力/トルク | 224PS/335N・m |
| 駆動方式 | 前輪/後輪駆動仕様 |
| ボディサイズ | 4565×1873×1604mm |
拡大されたボディと洗練されたプロポーション

新型GLAのボディサイズは、全長4565mm×全幅1873mm×全高1604mmへと成長を遂げた。
ここで注目すべきは、従来モデルよりも全高を20mm低く抑えながら、前後タイヤ間の距離であるホイールベースを61mm延長し2,790mmとした点である。この低重心化とロングホイールベース化は、単なる数値上の変化にとどまらない。
立ち上がったフロントエンドから寝かされたフロントウインドウへと続く流麗なライン、そして力強く張り出した前後フェンダーと相まって、獲物を狙う肉食獣のようなダイナミックでスポーティなプロポーションを生み出している。
さらに、左右のタイヤ間距離の拡大と、フェンダーぎりぎりまで外側に配置された18〜20インチの大径ホイールが、踏ん張りの効いた「ワイド&ロー」なスタンスを強調。都会のビル群の中でも決して埋もれない、SUVらしい力強い存在感を放っている。

一方で個人的にはメルセデスのエントリーモデルであるGLAにも関わらず、全幅が1.87mもある点は気になる所だ。
日本の道路事情では1.80m…せめて1.85m程度の幅に収めて欲しいと思う所である。
エントリーモデルでこの車幅は少し考えさせられる所である。
輝く新世代「アイコニックグリル」と光の演出

フロントマスクの表情を一変させた新世代のグリルも、新型GLAのデザインを語る上で欠かせない要素だ。
電気自動車モデルには、スモークガラス調のブラックパネルの中央にスリーポインテッドスターを鎮座させた「アイコニックグリル」が初採用された。
このグリルはオプションを選択することで、輪郭だけでなくパネル全体が発光する。
内部に仕込まれた608個のポリカーボネート製光点と158個のマイクロLEDが、ドライバーが選択した音響演出「オーラサウンド」に呼応して滑らかなアニメーションを描き出す。
なお、ハイブリッドモデルには150個のクローム調スターが散りばめられた専用グリルが与えられ、こちらは内燃機関の歴史へのリスペクトを感じさせる、上品でクラシカルな美しさを放っている。
象徴的な「星」をまとったライトシグネチャー

光の演出はグリルだけにとどまらない。ヘッドライトやリアコンビネーションランプにも、メルセデス・ベンツの象徴である「星」のモチーフが巧みに取り入れられている。
高機能なオプションである「MULTIBEAM LED」ヘッドライトを選択すれば、デイタイムランニングライトがくっきりとした星の形状に発光し、すれ違うクルマや歩行者の視線を釘付けにする。
また、リアビューでは左右の星形リアコンビネーションランプを一筋の光るライトバーで繋ぐデザインが採用され、よりワイドで安定感のある後ろ姿を強調している。
明らかに中国市場を意識したこの迫力ある外見は賛否があるだろうが、数年もすればデザインも消費されていきじきに見慣れたものへと変わることだろう。
(個人的にデザインは見られれば見られる程、消費される財だと思っている)
インテリア:約40インチの大画面とAIがもたらす未来感

運転席に腰を下ろした瞬間、目の前に広がるのはダッシュボードの全幅を覆い尽くすかのように配置されたオプション設定の「MBUXスーパースクリーン」である。
10.25インチの高精細なメーターディスプレイに、センターと助手席側にそれぞれ14インチのディスプレイを組み合わせた、合計約40インチにも及ぶ3画面構成は、まさに走る宇宙船のコックピットだ。
※助手席スクリーン非装着時の粋な演出
ちなみに、ベースグレードなどでは助手席側の14インチスクリーンはオプション扱いとなるが、落胆する必要はない。
スクリーンが装着されない場合、その空間には無数のスリーポインテッドスターが煌めく美しいブラックパネルがはめ込まれる。あえてこちらを選びたくなるほど、メルセデスの粋な遊び心が感じられる意匠である。
まるで友人?「MBUX Virtual Assistant」
システムの中枢には、ChatGPTやGoogle Geminiなどの生成AIを統合した「MBUX Virtual Assistant」が宿っている。
単なる音声コマンドの域を超え、複雑な会話の文脈を理解し、的確なルート案内や有益な情報を提案してくれる。
最新のデジタルコンパニオンは、まるで長年連れ添った知的な友人のように、ドライバーの意図を汲み取りドライブをサポートしてくれるとのことだ。
第2世代に搭載されていたMBUXも当時は画期的と言われていたが、ChatGPTが台頭し、人々がAIに慣れ親しんでくるとかなり融通が効かないモデルの様に感じられてきていたため、生成AI統合の新システムは嬉しいところである。
ゆとりの室内空間と大容量ラゲッジルーム

デジタル技術だけでなく、居住性や実用性の進化も目覚ましい。
ホイールベースの延長が功を奏し、後席の足元空間は従来型より38mmも拡大。大人4人が寛げるゆとりの空間を確保している。
さらに、荷室容量も通常時で410L(前モデル比+70L)へと拡大し、後席を倒せば最大1,400Lという広大なスペースが出現する。
加えて、EVモデルにはボンネット下に107Lのフロントトランクも備わり、洗車道具や充電ケーブルの収納にも事欠かない。
やはり、コンパクトモデルといってもSUVであるGLA。
ラゲッジルームに関してはぬかりなく仕上げてきている。
パワートレイン:本命のEVモデルと高効率ハイブリッド

新型GLAの心臓部としてまず注目すべきは、本命となるBEVモデルの陣容だ。
市場投入時には、2WDの「GLA 200」「GLA 250+」、そして4WDの「GLA 350 4MATIC」という3つのグレードが用意される。
中でも大容量85kWhのバッテリーを積む「GLA 250+」は、WLTPモードで最大657kmという圧倒的な航続距離を約束されている。
さらに最上位の「GLA 350 4MATIC」は、最高出力354馬力・最大トルク515Nmを発揮し、0-100km/h加速わずか5.4秒というスポーツカー並みの俊足ぶりを見せつける。
後輪側モーターに2速トランスミッションを組み合わせることで、鋭い発進加速と高速巡航時の効率を両立させている点も、走り好きにはたまらないこだわりだ。
10分で270km分!800V急速充電の恩恵

EVの弱点とされがちな充電時間に関しても、技術進歩により近年は大分改善されてきたが、メルセデスもぬかりない。
最新の800V高電圧システムを採用し、最大320kWの超急速充電に対応。
コーヒーブレイク程度のわずか10分の充電で、最大270km分もの航続距離を回復できるという。
長距離ドライブの足枷を取り払う、極めて実用性の高いシステムである。
日常使いに最適なハイテク・ハイブリッド
一方、内燃機関の味わいを愛するドライバーに向けて、2027年初頭には新開発のハイブリッドモデルも追加される予定だ。
新開発の1.5L直列4気筒ガソリンターボエンジンに、48Vシステムと最高出力22kWのモーターを組み合わせた、高効率なハイテク・ハイブリッドだ。
特筆すべきは、このモーターとシステムが8速デュアルクラッチトランスミッション(8F-eDCT)に直接組み込まれ、極めてコンパクトかつ高効率にまとめられている点である。
これにより、市街地でのスムーズなモーターのみでのEV走行や、減速時の効率的なエネルギー回生を実現している。
内燃機関の心地よい鼓動と、モーターのシームレスなアシストが織りなす洗練された走りは、日々の都市部での移動に上質な知的刺激をもたらしてくれるはずだ。
新型GLAの発売時期と価格設定

欧州市場、特に本国ドイツでは、熱狂のワールドプレミアから息をつく間もなく、2026年7月30日より新型GLAの注文受付が開始された。
実際のデリバリー開始は同年11月が予定されており、欧州のストリートをこの最新のアーバンSUVが駆け抜ける日は目前に迫っている。
気になる価格設定だが、ベースグレードとなるEVモデル「GLA 200」は税込みで4万8,599.60ユーロ(日本円換算で約890万円)からのスタートとなる。
さらに、大容量バッテリーによって長距離航続を誇る「GLA 250+」が5万4,978ユーロ(約1,000万円)、デュアルモーターで圧倒的なパフォーマンスを見せつける最強スペック「GLA 350 4MATIC」は5万8,107.70ユーロ(約1,060万円)というプライスタグが掲げられた。
日本上陸の「Xデー」を待ちわびて
エントリークラスの、しかも、AMGではなくノーマルモデルで900万円~1000万円と考えると正直かなりの強気価格だろう。
ただ、生成AIを統合した対話型アシスタントや広大な「MBUXスーパースクリーン」、さらには800Vシステムによる超急速充電といった最新テクノロジーの数々なども考えれば致し方ない部分もあるのかもしれない。
現時点において、日本市場への具体的な導入時期や詳細なスペック、そして国内価格についてはベールに包まれたままだ。
しかし、肥大化したものの新世代メルセデスとしては比較的コンパクトな車体になるであろう本モデルは日本の入り組んだ都市部で使うのには、メルセデスの中では向いているはずだ。
右ハンドル仕様のステアリングを握り、光り輝く新世代の「アイコニックグリル」とともに日本の景色を走り抜けるその日は必ず来るはずだ。
まとめ:新型GLAは都会を駆ける最高の相棒

第3世代へと進化した新型GLAは、ダッシュボードを覆い尽くす約40インチの「MBUXスーパースクリーン」と、複雑な文脈を理解する対話型AI「MBUX Virtual Assistant」がもたらす先進的なコックピットは、クルマと対話するという新たな体験を生み出し、ドライバーの知的好奇心を常に刺激し続けてくれるだろう。
全てを妥協しない、次世代のオールラウンダー
また、最大657kmもの足の長さを誇るEVモデル「GLA 250+」や、新開発システムを搭載した高効率なハイブリッドモデルの投入は、環境性能と走りの歓びという相反する要素の両立に真っ向から挑戦をかけているところだろう。
週末の過酷なロングドライブから、入り組んだ都会の路地まで、あらゆるシーンを余裕でこなす高いポテンシャルは秘めていることだろう。
最先端のデジタル技術と、ブランドの伝統ある重厚な走りを惜しみなく注ぎ込んだ新型GLA。
メルセデスのプレミアムコンパクトSUVの新たな基準となり、私たちの日常をより豊かでエキサイティングなものへと変えてくれる最高の相棒となるはずだ。
出典:Mercedes-Benz

