Insta360 Ace Pro2でクルマの車載動画を撮る際の利点および熱暴走問題の対策について分かります。
2024年の10月末から販売が開始されたInsta360 Ace Pro2。
初期ロットで多数報告があったレンズ曇り等の不具合対策のためか、一時期は入手困難となっていたが、2024年の12月中頃から徐々に手に入りやすくなってきたように感じる。

かく言う私もその時期に入手した一人で、現在試験的に運用を開始しているが、現時点でのレビューと熱暴走に対する私の対策方法を述べたいと思う。
Insta360 Ace Pro2を購入した理由
Insta360 AcePro2の購入動機
私がInsta360 Ace Pro 2を購入しようと思った理由は、ドライブ動画を撮影する際に暗所で撮影するシーンが思ったより多かったからだ。
例えば、陽が昇る前の早朝に出かけたり、夕方から夜間にかけての帰路だったり。あとはトンネル内や木々が生い茂る峠道など。

今までGoproを使用していたが、Goproは明るいところでは十分な性能を誇るが、暗所になると途端に使い物にならない。
そのため、暗所に強いと言われていたInsta360 AcePro2を購入することにした。
Insta360 AcePro2に求めたこと
購入理由から分かる様に、私がInsta360 Ace Pro2に求めたのは、暗所での美麗な映像だ。
下記映像はInsta360公式サイトの動画になるが、左が他社製カメラ・右がInsta360 AcePro2になる。
Insta360 Ace Pro2には、PureVideoモードという低照度下においても明るさや彩度、ディティールを保ったままノイズを大幅に低減させるモードが存在する。

この機能を用いて眠たい映像になりがちな早朝や夜間の映像を、暗闇に現れる明るい料金所や煌びやかに光るタワマン街などを映すシーンで魅力的な映像としたいと考えている。
私の撮影環境
レビュー前に、私の使用環境をお伝えしておく。
主にキャビン中心から運転席・助手席を含めた前方を撮影する画角をメインで撮影している。

また、私の車両はバケットシート型のため、ベルト穴にメッシュベルトを通して、クリップや延長マウントを用いて固定している。
要は車内で使用しており、直接走行風も当たらないが、直射日光も当たらない環境での使用となっている。
また、バッテリーを刺したまま、車内USBポートから常時充電しながら撮影を行っている。
Insta360 AcePro2の良い点
細かなスペック詳細は他の方に譲るとして、クルマの車載動画を撮影する際におけるInsta360AcePro2のメリットを挙げる。

なお、私はアクションカメラに関しては今までGopro hero8および10のみしか使用したことがない。
そのため、比較も上記2機種に対してのみという点もご承知頂きたい。
アクションカメラの域を超越した暗所撮影性能
Insta360AcePro2を購入した一番の理由でもある暗所性能の良さは非常に大きなメリットとして挙げられる。
通常の撮影モードでも、Goproと比較すると暗所での映りは良好だ。さらに、PureVideoモードという低照明環境専用の撮影モードもある。
ドライブ動画で、暗所撮影が必要かという問いもあるかもしれないが、
私は陽が昇り始める前の早朝から出かけることもあるし、帰路につく頃には夕方以降となっていることも多い。
今までGoproだと、早朝および夕方以降は不鮮明かつノイズだらけの映像しか撮影出来なかったが、Insta360 AcePro2により一気に魅力的な画が撮れる様になった。
加えて、ドライブ先で暗所を観光する場合においてもInsta360 AcePro2を持ち出して撮影することも可能と考えると暗所撮影性能の高さは、私にとってかなり魅力的に映ったので購入に踏み切った。
車載動画撮影には十分な手ブレ補正機能
Insta360AcePro2もアクションカメラのため、手ブレ補正はしっかりと備えられている。
私が現在乗っているクルマはメルセデスAMGのGLA45Sのため、それなりに足回りが硬く、振動もカメラに伝わりやすいが撮影された映像に問題はない。
また、実質3世代前の機種となるGopro10との比較となるが、シャッタースピードをかなり高速にしないとGoproでは暗所で撮影する際にジャギー(ブレにより光の軌跡が映像内にノイズとして残る)が発生しやすかった。
しかし、Insta360 Ace Pro2では夜間走行であっても、ジャギーは全く目立たない映像となっている。
これは実際に使用するまで分からなかったが、個人的にはここもかなり高評価できるポイント。
フリップ式ディスプレイで設定・画角調整がしやすい
Insta360 Ace Pro2の背面の操作用ディスプレイは、フリップ式となっており、180°回転して前面から操作・確認ができる様になっている。
本来の用途としては、自撮りする際に映りを確認するものかと思われるが、運転席に座ってから画角調整や設定などが出来るため、わざわざ後部座席に乗り換えて設定したりという手間がないのは嬉しい。
そもそも後部座席のない2シーターのクーペなどでも重宝する機能かと思う。
Insta360 Ace Pro2の熱暴走について
熱暴走による停止の頻発
Insta360 Ace Pro2を使っていて唯一気になったのが、PureVideoモードで4K60FPS撮影時での熱暴走だ。
実際にPureVideoモード4K60FPSで撮影しようとすると、熱暴走の危険があるという警告が表示される。

そして、実際にその設定のまま使い続けると、20分程度で熱暴走による強制終了となった。
強制終了後に再度、時間を空けて3回同条件で試してみたが、同じ結果となった。
その時の車内温度は25℃前後だった。
つまり、人が快適に過ごせる気温では4K60FPSのPureVideoモードは短時間しか使用できない結果ということである。
これがバイク等のモトブログであれば、走行風が直接当たるため問題ないのかもしれないが、いかんせん車内だと風を当てるためには、別途ファンを設置する必要が出てくるためスマートではない。
熱暴走への対応策
Insta360 AcePro2のPureVideoモードにおける熱暴走対策としては、解像度を4K→2.7Kに落とすことである。
その理由としては、下記の通りである。
- 1.解像度を落とすことにより高プロファイル撮影ではなくなる
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解像度を4Kから2.7Kに落とすことにより、カメラの処理負荷が下がり、発熱が低減される。
実際、PureVideo2.7K60FPSでは熱暴走の警告文は出ない。 - 2.解像度は4Kもいらない
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おそらく、今の時代に車載動画を撮る人はYouTubeに挙げる目的の人が大多数だろう。
しかし、YouTubeの視聴者はスマホ視聴が大多数であり、そうなると4K画質である必要性も薄れる。FHDあれば十分だろう。
であれば、わざわざ4Kである必要性もないし、2.7K撮影でも十分と考える。私が保有しているチャンネルの1つにゆっくり解説動画のチャンネルがあるが、そのアナリティクス画面を下記に添付する。
画像の通り、スマートフォンやタブレットの視聴が65%近くにのぼる。チャンネル登録6000人弱のYouTubeチャンネルのアナリティクス画面 - 3.フレームレート(FPS)が低いと光の滲みが発生する
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4K60FPSでなく、4K24FPSで撮影すればよいのではという意見もあるかもしれない。確かにフレームレートを下げれば熱暴走の不安もない。
私も元々はシネマティックな映像を好むため、24FPSで撮影していた。
しかし、フレームレートを下げると、必然的に露光時間が長くなるに伴いノイズが増えるためか、光源周辺にぼんやりと光の滲みが生じるのだ。PureVideoモードは暗所における光源の表現が魅力的な撮影モードだけにこれは致命的なデメリットである。
そのため、私は60FPSでの運用はマストと決めた。4K24FPSで撮影した映像の切抜き-光源周りに滲みが生じ、全体的に輪郭もぼやけている-
まとめ
私が保有していたアクションカメラ(Gopro8および10)よりも、3世代分進化している機種だけあって機能的には申し分ない。
あとは、長期間使用してみてどんなメリット・デメリットがあるかも検証していきたいと思う。
一つ言えることは、4Kでしっかりとした高画質を求めるのであれば、一眼カメラ等で撮影する前提で考えた方が良い。
アクションカメラで超高画質・長時間録画は現実的ではないため、自分が作成する動画は【誰が】【どの様に見て】【どこまで妥協することが可能か】を踏まえて使用する必要があると私は考える。
