ポルシェ718ボクスターないしケイマンの購入を契機に立ち上げた当ブログだが、以前もお話ししていた通り結婚を機に完璧2シーターオープンカーの計画は頓挫してしまった。
そこで、以前妄想したAMGの4ドアハッチを真剣に検討したのだが、嫁さん(正確にはこの時点では婚約者)が運転することを考慮すると車高が低いという理由でこれまた却下となってしまった。(後述するが、実際にA45Sに試乗したわけでなく、それよりも車高が5mm程高いCLA45Sに試乗してもらった)

もうここまで来たら潔く、国産で使い勝手の良いファミリーカーを選べばいいものをどうしても諦めきれない。電気自動車の時代が来る前にもう少しだけ、純ガソリンエンジンで非日常を味わえる車を堪能させて欲しい・・・。その想いがどうしても捨てきれなかった。
別にEVが嫌いなわけでは決してない。テスラのモデルSやアウディe-tronGTに試乗させて頂いた際には感動すら覚えたほどである。ただ、EVはこの先の人生でも乗れる機会はまだまだあるかもしれないが、ICEは本当に最後かもしれないからだ。
ということで、A45Sの件も白紙に戻して、また新たに乗り替え先を検討しようとしていた矢先、ふとGLAの存在を思い出した。よくよく調べてみると、GLAにもA45Sと同じM139エンジンが積まれているではないか。完全に灯台下暗しである。
善は急げということで、さっそく嫁さんも連れて、六本木にあるメルセデスme-東京で試乗させて頂いたので、その結果をレポートする。
※なお、試乗車本体は時間の都合上撮影出来なかったのであしからず

こんにちは、YOSです。実際に購入して1年経過した際の感想もしたためました。

メルセデスme-東京での試乗予約
個人的には車高が低く、比較的コンパクトな車が好きなので、第一希望としてはA45Sが挙がる。ただ、嫁さんが運転することを考えると、ある程度車高が高い方が乗りやすいだろうとも思うわけで・・・。実際に乗り比べて判断してもらうことにした。
さて、通常のベンツであれば、近所のディーラーに行けば試乗できる場合が多い。しかし、AMGとなるとそうもいかない。しかも、今回の様に2モデル合わせての指名となると・・・皆無と言ってもいいかもしれない。
かなりの試乗車を取り揃えているメルセデスme-東京でも、GLA45SとA45Sの乗り比べは叶わなかった。ただ、A45Sと最低地上高がかなり近いCLA45Sのセダンモデルを用意して頂けた。
予約当日、メルセデスme-東京を訪れると、幸運にも日本に3台(世界でも150台!)しかないメルセデス・マイバッハのオートヴォワチュールが展示されていた。

幸運な出会いに感謝しつつ、逆立ちしても買えない車なのでご尊顔をひとしきり拝み、早々に試乗(正確にはトライアルクルーズ)受付へ。そこで、免許証や免責事項等の確認を行い、スタッフさんに案内されるままに実車とご対面。
CLA45SとGLA45Sに乗り比べ
まずはCLA45Sから
先に相見えたのはセダンモデルの黒のCLA45S。ただでさえ黒のメルセデスは厳ついイメージがあるのに、それにパナメリカーナグリルまで備わると、Aクラスがベースとは思えない程の威圧感が漂っている。
ただ、乗り込んでさえしまえばそんな威圧感に委縮する必要もなくなるので、操作方法だけスタッフさんからご説明頂き(主に嫁さんに対して)さっそく公道に繰り出した。
今回はあくまで嫁さんに運転のフィーリングを掴んでもらうのが最優先事項なのである。(あわよくばSUVタイプ以外の車高が低い車でも運転しやすいと感じてもらえたらラッキー)

最初に述べた通り、ファミリーカーとして使用する予定なので、乗り心地はかなり重要である。嫁さんにはドライバーとしても、パッセンジャー(後部座席)としても体験してもらったが、幸いなことに硬すぎるなど苦言を呈されることは全くなかった。(家に帰って二人きりになった後でも)
AMGのしかも45モデルとなると特に足回りがシャキシャキしていて、硬い乗り心地をイメージされる事も少なくはないかと思う。
実際、私(達)のように全然気にならないという人もいれば、普段乗りするには硬いよ!と思う人もいるらしい。
私は普段、愛車のボクスターSで移動しており、嫁さんもその隣によく乗っている。つまり、スポーツカーの足に慣れきっている状態ということだ。その状態で試乗したらそれは全然気にならないというもの。
逆に今まで、しっとりとしたセンダやSUVタイプに乗ってきた人がいきなり乗ると違和感を感じるのも納得できる。

それくらいの絶妙なラインに乗ってくる足の動きなのだ。(試乗はコンフォートモード限定だったので、モード切替でスポーツやスポーツ+にすれば、さらにシャッキシャキの足にすることは可能)
ただ、嫁さんに言わせると車高が低いため、乗り込みにくい。感覚としてはボクスターと同じくらいらしく、スカートを履いていたら乗り降りに苦労しそうだと言われた。
あとは、歩道から車道へ出る際にフロントリップが擦りそう(常に意識していないと絶対擦るくらいのレベル)な事・バックで駐車する際も気を付けないと車止めにお尻を擦る懸念があることにより、大幅に減点されてしまった・・・。
続いてはGLA45Sに試乗
つぎに登場したのは白のGLA45S。うーむ、メルセデスの中では一番コンパクトなSUVとのことだが、間近で見ると結構デカいぞ!
膨張色だからか?
いやいや、いくらコンパクトSUVと言っても、サイズは全長 4440mm×全幅1850mm×全高1585mm。全幅は1.8mを優に超えている(さきのCLA45Sも全幅は同じ)。この幅でSUVの車高があれば、そりゃあデカく見えるのは当然のこと。
GLA45Sも先程と同様、M139エンジンが搭載されており、まさに羊の皮を被った狼という装いである。(フロントを見てしまうと研ぎ澄まされた牙が見えているが・・・)後ろ姿だけならば、AMGのバッジを見ない限り、大多数の人はノーマルのGLAと見分けがつかないだろう。

さて、同行してくれるスタッフさんの時間をこれ以上奪うのも忍びないので、外観を眺めるのはそこそこに車に乗り込む。操作方法自体は先ほどのCLAと全く同じなので、ドライビングポジションの調整を終えたら早速走り出す。
先と同じルートをまたグルリと周回。今回もコンフォートモードでのみの走行。このモードで下道を走っていると本当にAMGであることを忘れるくらいリラックスして走れる。421PS・500Nmという暴力的な動力性能を備えているにも関わらず、全く緊張感を強いられない。
乗り心地もこちらの方が気持ち優しい感じがする。CLAより90kgほど重たいからだろうか?それとも都市型SUVというキャラクター性を踏まえての足回りによるものなのか。
うん。私の様なただの素人が街中をちょろっと乗っただけで、そんな違いが分かる訳ないのでプラシーボ効果だろう。ただ、乗り心地なんて結局主観でしかないのだから、好みだと感じればそれでいいのだ。
そんな私のなんちゃって考察は置いておいて大事なのは嫁さんの意見である。
結果としては、圧倒的にこっちの方が好印象だった模様。
SUVタイプなので、当たり前だが地上高が高いため、乗降性〇。大きく腰を下げずに乗り降りできるので、服装も選ばないし、何より楽で良いとのこと。乗り降りの苦労自体を楽しむのはごく一部の車マニアだけである。
そして、当然車高が高いため運転時の視点も高く・広く取れて走りやすいとのこと。特に上りの坂路においてCLAだと首を伸ばして覗き込まないと前方が確認しずらかったのが、GLAだと楽に運転できるとのこと。
・・・どうやら決まりの様だ。家庭円満に”少々”過激な車に乗るには家族の意見は最大限尊重するべきだ。というより、AMGを所有することに文句を言われない時点で、私は相当の幸せ者だ。むしろ、「こんな我儘を許してくれてありがとうございます。」と嫁さんにお礼を言いたい。

別日にディラーでスポーツ+まで体験させて頂いた
ちなみに、後日スポーツ以上での走りを体験したく実際にディラーでGLA45Sのみ試乗させて頂いた。
先ほど、リラックスして走れるなんて述べたが、スポーツ+にするととんでもない!一般道でこのモードにすると周りの人に申し訳ないと思うほどの排気音を奏でる。
実際は、車内のスピーカーからエキゾーストノートを抽出・増幅するなどして演出を行ったサウンドが聞こえているらしいので、恐らく車外で聞くと思ったよりは大人しい音なのかもしれない。
これをフェイクサウンドだと言って毛嫌いする人もいるらしい。その気持ちもとても良く分かる。聞けるのなら生のエギゾーストノートを浴びたい。ただ、車にそこまで興味がない通行人にとっては騒音以外の何物でもない。公共の福祉を考慮しつつ、ドライバーの感性も刺激するとなると、車内スピーカーによる演出は悪いものではないと個人的には思っている。
ただ、それを分かった上でも、やはり申し訳ないと思うぐらいの迫力はあるわけで、モードを切り替えるだけで非日常を味わえるのは嬉しい。
他の競合車種はどうだ?
よし、そうしたらGLA45Sに決まり!・・・いやいや、ちょっと待てよ。ほかにも同じコンセプトで魅力的な車があるハズ。
そう思いネット上を猟歩し、競合となりそうな”それなりの”動力性能を持ったコンパクトSUVを探してみた。
見つかった。アウディのRSQ3がドンピシャで競合となりそうだ。
2.5リッターの直列5気筒を搭載し、最高出力は400PS!サイズも全長4505mm×全幅1855mm×全高1555mm・車重1,730kgと真っ向勝負となりそうな予感。
・・・というか、それ以外いないんじゃないだろうか?そりゃそうだ、まともな感性の持ち主であるならばコンパクトSUVにそんな動力性能は必要ないということは当たり前に理解できるハズである。ドイツ本国ならまだしも、ここ日本でそんな車をどう使うんだという話だ。まさか、SUVで本格的にサーキットを攻略するわけもあるまいし・・・。


AMGでいう35クラスで見れば、他にもBMW X2のM35iなど、魅力的な車が沢山あるわけだが、既に私の目と思考は濁ってしまった・・・。
公道を走る車でこんな事を比べても意味はないのだが、今の愛車が280馬力・車重1390kg・・・パワーウェイトレシオで4.95kg/PS程度である。これと同等以上の数値をコンパクトSUVに期待するとなるとやはりGLA45SやRSQ3並みの動力性能が欲しいと思ってしまうのだ・・・。もはや、病気と言ってもいいかもしれない。(参考までにGLA45Sのパワーウェイトレシオは1,770kg÷421PS=4.20kg/PS)
勿論、車の魅力がパワーだけで計れるモノではないのは重々承知している。それでも、電動化の波が私のすぐ背後まで迫っているからだろうか?例え2リッターの直4になろうとも、演出家のAMGが手がけるハイパワーターボには抗いがたい魅力がある。