なぜレクサスはセダンを捨てないのか?市場での競争力と今後の展望

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    SUVやクロスオーバーといったボディタイプの人気は衰え知らず、つい最近ではあのフェラーリやロータスですらSUVモデルの販売を開始する程・・・さらに、ヨーロッパにおいては2023年上半期の新車登録の50%以上をSUVが占めるまでになったとの発表もある。

    しかし、レクサスのグローバルブランドチーフである渡辺 剛氏はセダンの需要が年々減少していることを認めつつも、「私たちはセダンの市場を見続けています…そして、セダンを重視し、焦点を当て続けます。」とセダンへこだわり続ける姿勢を見せている。

    目次

    レクサスのセダンにこだわる理由

    レクサスは1989年にトヨタから独立した高級ブランドで、独立時最初期にラインナップされたのが、日本ではセルシオとして販売されたLSとカムリ・プロミネントがベースのESであり、これら高級セダンのDNAが現在のレクサスにも継承されている。

    そして、現在のレクサスの中核をなすのもセダンであり、現在はLS・ESに加えてISの3シリーズをラインナップ。

    LSはフラッグシップモデルであり最高級の快適性と静粛性を、ESはLSよりもコンパクトでありながら高い品質と燃費効率を兼ね備え、ISはスポーティな走りと洗練されたデザインが特徴となっている。

    特に中国では、セダンは高級感やステータスを表す車として人気があるようで、(2021年のデータではあるが)中国では人気車種ランキングTOP10の内9車種がセダンと圧倒的な人気を誇っている。

    当然、レクサスのセダンは中国において人気の様で、中国国内におけるレクサスの販売台数の内、半数をESが占めているほど。

    レクサスのセダンに対する展望と課題

    レクサスは、上記の通り今後もセダン市場への参入を続ける事を明確にしており、今後もセダン市場での競争力を高めていくかと思うが、世界的なセダン人気の衰退以外にも大きな課題がある。

    ただでさえSUVにシェアを大きくとられている欧州では、メルセデスやBMWなどのドイツ勢が高級セダン市場で圧倒的なシェアを確保しているため、レクサスはその後塵を拝している点。

    当然、メルセデスやBMWと比べると若いブランドになるが、新興メーカーであるテスラが順調に欧州での販売台数を増やしていっているのを見ると、歴史だけでなくEVに弱点がある様にも感じられる。

    トヨタ及びレクサスのEV化戦略

    2021年12月、豊田章男元社長が突如プレゼンを行った『バッテリーEV戦略に関する説明会』では16台の電気自動車のコンセプトモデルが発表された。

    その中にはレクサスのエンブレムをつけているモデルもあり、SUVやクーペ・・・そして、セダンの姿も確認できる。

    Lexus Electrified Sedan Concept

    勿論、当時発表されたEVコンセプトモデル全てが市販化される訳ではないだろうが、渡辺 剛氏の発言とレクサスブランドとして、上記画像のコンセプトセダンを発表しているので、今後のレクサスのラインナップ全てがSUVに・・・ということは無さそうだ。

    今後、欧州におけるセダン市場の競争において、EVはレクサスにとって大きな武器になるかもしれない。

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