YouTubeを見ていると稀に、「金持ちなのに高級外車に乗らず国産車を弄って乗っている所に車への愛が感じられる(意訳)」というコメントを見かけることがある。
果たして本当にそうなのかと疑問に思・・・うことはないが、なぜそういったコメントが出てくるのだろうか。(逆のパターンは見かけたことがない。)
僻みではなく漫画の影響?
そういったコメントの中身を覗いてみると、「買えない奴の僻みだろ」等々のコメント返しにより地獄になっていることが多いわけだが・・・。もちろん、実際にポルシェなどの高額なスポーツカーを所有できる人は僅か(値段的にも環境的にも)ではあるが、単純な僻みかというと本当にそうなのか?と思う。
少なくともチューニングカーというマニアックなジャンルの動画にコメントを残すぐらいには車に興味関心を持っている人だと想像できるし、特別高額な外車を貶しているという訳でもないので、僻みからのコメントではなさそうだなと推考できる。
車に興味を持った特に若い人は、車を題材とした漫画やアニメといったメディア(具体的には『頭文字D』や『MFゴースト』)を見ている人も少なくないと思うし、最近ではちょくちょくYouTube上でアニメの無料公開をしていることもあるので、実際に履修済みの人も多いかと思う。
※アニメや漫画などを閲覧したことを大学の講義を受けたことになぞらえて、【履修済み】と表現することも多いようだ。
そして、それらのメディアでは、比較的小柄な国産スポーツがヒーローとして扱われているので、憧れのヒーローに乗る人=車を愛している人という方程式になっているのかなと考える。

高級車を比較に出した上での最大の賛辞
また、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェなど車に興味関心のない人であっても認知されているぐらいの高級車≒スゴイ車として認識されているメーカーを引き合いに出すことによって、相対的により強い賛辞を送っているのではないかなとも考えられる。
「医者でお金を持っているのに、高額なポルシェを所有するのではなくて、その分を86のチューニングに費やしているのだから、本当に車愛があるんだね」と多くの人が憧れそうな車との対比により、それでも国産メーカーを選ぶあなたは真の自動車愛好家ですね!といった具合だろうか。

ただ、そもそもとしてカリカリにチューニングした国産スポーツを乗っている医師が持っている車はその1台だけなのだろうかという疑問もある。
それだけ、チューニングにお金や時間を費やせる人なら、ファミリーユースのセダンやバン・SUVなんかを所有しているかもしれないし、自身のベンチマークとしてポルシェなど高額なスポーツカーを所有していることも十分に考えられる。
YouTube上で見られるのは表層のごく一部なので、チューニングした国産スポーツ所有者の愛車遍歴は分かりようもないのだから・・・
結局、この記事で私が何を言いたかったかというと・・・賛辞を送るにしても他者を引き合いに出して下げる表現は、無意識に敵を作ることになりかねないので避けた方が無難だな。よし、気を付けておこう。それだけである。