結婚を見据えてとなるとやはり、私がポルシェのスポーツモデルを所有するのはやはり難しそうなのが現実味を帯びてきた。(こう書くと、ポルシェは全モデルスポーツカーだとのご指摘も受けそうだが…)
ただ、元々スポーツカーを候補としていたのもあって前回のレクサスIS F同様、ファミリーユースとして使えるとしてもどこか尖った車が欲しい・・・。
そこで、改めて私の頭の中のカーリストをペラペラとめくっていく。
あった!
4年ほど前の東京モーターショーで一目見て惚れた車。価格的に手が届かないと思い、頭の隅の方に追いやられていたが、今なら手が届きそうである。車はメルセデスAMG A45S(W177)。
改めてスペック等を見ると、ホットハッチを超えたモンスターハッチで、中々に刺激がありそうな車だ。今回はW177のA45Sでファミリーユースの妄想をしてみたいと思う。
210PS/Lの傑作2Lターボエンジン
まずはこの車の魅力を再確認してみたい。
そうなると外せないのは当然、エンジンの存在だ。
A45Sに搭載されているのは、2リッター直4で421PSを発揮するAMGの傑作エンジン『M139』。マイスターが【One man, One engine】の哲学に則り、手作業でイチから組み上げた珠玉のユニットである。
最近では、2リッターで300PSを超えることも珍しくはなくなってきた。VWのゴルフRやホンダのシビックTypeRやトヨタのGRカローラ等々・・・。しかしながら2023年現在において、2リッターで400PSを超えてくるのは、(私が知る限り)この『M139』を搭載するAMG以外ない。
2リッターながらこれだけの出力を発揮しているのは、最大過給圧2.1barという量販市販車としては異常とも言える数値のおかげでもあるのだが、当然過給圧をあげて空気の圧縮率を上げれば上げただけ高温になるため、熱対策も非常に重要となってくる。
そのため、このA45Sではエンジン停止後にもウォーターポンプの作動が可能であり、さらにエアコンすらもクーリングに使用するなどの徹底ぶりである。
ICEを味わえるのも最後と言われている今、現代最強の2リッター直4ターボを知らずに終えてしまっていいのか・・・という思いが私の中にある。正直、この車を欲しい理由の6割近くはこの『M139』を味わいたい!が占めていると言っても過言ではない。

サーキットでも通用するパッケージング
421PSという大出力を路面に伝える4WDシステム【4MATIC+】はトルク配分を走行状況に応じて、100:0から50:50で自動調整してくれる上、トルクベクタリング機構も搭載。ハッチバック4WDとは思えない程、コーナーを気持ちよくクリア可能。だそうだ。
まぁ、私はこの車でサーキットを走ったことはないので受け売りなのだが。
加えて、8速DCT【AMGスピードシフトDCT】が搭載されていて、現代のDCT宜しく電光石火の変速によって駆動力の途切れを感じず、また、シフトダウン時にオートブリッピングまで行ってくれる。
富士スピードウェイでのラップタイム1分58秒台※を記録したという報告もある。車重が1.6tを超えるハッチバックで2分の壁を越えてくるのは、もはや狂気とも言える・・・。
※ノーマルで標準装着されているラジアルタイヤでのタイム
余談だが、私の愛車である987型のボクスターはティプトロニック(トルクコンバーター式AT)であるため、デュアルクラッチトランスミッションに憧れがある。
一度、PDKが装備された970型パナメーラ4で都内から富士スピードウェイまで走り、何なら富士の本コースをパレードランで走ったことがあるのだが、その時に味わった、まるで大谷翔平のスライダーの様に切れ味の鋭いPDKに驚嘆すると共に、自身の愛車のティプトロと比べてしまい愕然としたことを覚えている。
それからの私は、見事にDCTコンプレックスに陥ったのである・・・。

ファミリーカーとして実用性も家族へ説明可能
ふむ、なるほどホットどころかモンスター級の刺激のある車ということは分かった。そんな車、本当にファミリーカーとしても使えるのか?
まずは、形状から見ていこう。5ドアハッチバックでサイズは全長4445mm×全幅1850mm×全高1410mmとなっている。まぁ、このサイズなら恐らく、子供がいたとしても十分実用に足る居住性や積載性はあるだろう。小さすぎるということはあるまい。
逆にそのボディサイズは日本で扱うには丁度良いサイズ感だろう。全幅だけは日本の大衆車と比べるとやや幅広ではあるが・・・。

AMGでは標準装備されている安全先進装備の【レーダーセーフティパッケージ】もあるので、多少全幅は広いと言ってもそこまで運転を不安に思う必要もなさそうである。
何より衝突安全性は高くて、CLA(セダン)にはなるが、2019年に行われたユーロNCAPの衝突テストにおいて、小型ファミリーカー部門で最も安全な1台に選出されている。
※テストでは大人/子供の乗員保護性能・歩行者&自転車保護性能・安全支援システムに応じて評価される。
ダメ押しに自動車税の話をすると、総排気量は1,991ccのため自動車税の区分としては1.5リットル超~2リットル以下に該当し、36,000円/年になる。W177型は年式も新しく(大半が2020年以降ではないだろうか?)13年経過による自動車税の割増までもまだまだ猶予がある。
乗り心地が固そう?
その答えは、下記に記述する通りであるが、同乗者によっては固いと言われる可能性も無きにしも非ずという感じは否めない。
その際は、「比較的新しい車だし、サスペンションがまだこなれてないんじゃないかなー?しばらく乗ったら気にならなくなるよ」と言って先延ばしにすればいいだろう。
実は過去に一度試乗させて頂いたことがある

ここまで妄想してきたが、実は以前(確か2020年)にAMG Performance Tourで、A45S・・・ではなく、シューティングブレイクのCLA45Sを六本木にあるMercedes me – 東京で試乗させて頂いた。

当時のAMG Performance Tourでは(今でも?)ドライブモードの変更は認められていなかったため、コンフォートのみのドライブとなった。運転した感想としては、AMGと言えども運転している限りの乗り心地はベンツと大きく変わらないかなという印象。
私の父がW205のC200を所有しているため、時々運転はするが、大きな差は感じない。(若干、足が張っていてお尻を押し上げられている様な感じがしなくもないといった程度か)
ただ、ステアリングフィールはコンフォートでもソリッドな印象で、遊びは少ないなと感じたことは覚えている。
結局のところ、スポーツモード以上を経験していないため、この車の性能の半分どころか4分の1も引き出せていないはずなので、あまり参考にはなるまい。